NO-MA ARCHIVE(ノマ アーカイヴ)

展覧会
2005.4.28~6.12
縫う人 針仕事の豊かな時間

※以下の文章は、開催当時のまま掲載しています。

2004年6月にオープンして、2回目を迎えるNO-MA企画展では、「縫う」という行為から生まれた様々な表現の形を紹介します。
「縫う」ことは大変古い歴史をもっており、世界各地で様々な技法や様式を持ちながら続けられています。しかしその一方、「縫う」ことの行為は針と糸と布などで行う意味とてもシンプルな繰り返しの行為であり、その連続性が生み出す一定のリズムや流れは、針を刺す人の持つ固有の時間でもあるのです。一針一針刺していくことで生まれてくる様々な形。そこに流れる長い豊かな時間。心地よい陶酔的な時間と、またその行為に込められてゆく厚みのある思い。
世の中が合理的に変化しようとも「縫い」という行為は、人間が本来持っている触覚的な感性や揺るがぬ時間の確かさを、具体的なものとして感じさせてくれます。
知的障害者の「縫い」はそのこととをとても直裁に思い起こさせてくれます。また、中央アジアの民のまさに生きることと直結した、縫うことへの祈りにも近い行為は、製作にかけた膨大な時間とともに縫いの本質そのものであります。そして、現代アーティストたちはその本質を直感的に嗅ぎ取り、また違った形で「縫い」の持つ豊かな魅力をあぶり出して見せてくれます。

出展者
伊藤存 / 上前智祐 / 坂元郁代 / 野間口桂介 / 萩野トヨ / 山本純子 / 中央アジアの人々の手刺繍

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