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展覧会2023.2.11-5.14
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林田嶺一のポップ・ワールド
THE POP WORLD OF HAYASHIDA REIICHI
※以下の文章は、開催当時のまま掲載しています。
1933年に中国満州で生まれた林田嶺一は、幼少期を大連、ハルビン、上海、青島などを転々としながら過ごし、その35年後、人生をかけた絵画制作に取り組み始めました。満州から日本へと引き揚げる12歳までの体験や場面を描いた、「満州ポップシリーズ」です。
上空を飛ぶ少女、足がはえた飛行機……、林田の作品は幼少期の「記憶」とその時のリアルな「感情」がシンクロすることによって生まれます。また、いくつも要素を複合させる作品構造からは、大連やハルビンなどで林田が経験した大陸的な社会環境と、記憶の断片をつなぎ合わせようとする意識が感じられます。
本展では、未公開作品を含む約60点の作品をもって、深刻なテーマを持ち前のポップな感覚で表現し続けた林田ワールドを体感いただきます。
林田 嶺一 Hayashida Reiichi プロフィール
1933年、中国満州の懐徳公主嶺泉町(現:中国吉林省公主嶺市)に生まれた林田は、大連、ハルビン、上海、青島などさまざまな土地を転々としながら過ごし、終戦に伴い日本に帰国した。1979年から、道立三岸好太郎美術館の学芸員のひと言を受け、引き揚げ体験をもとにした作品制作を開始。2022年に逝去するまで北海道江別市を拠点として活動した。主な展覧会に、「林田嶺一ポップアート展」(江別市セラミックアートセンター、2005)、「ART BRUT JAPONAIS Ⅱ」(HALLE SAINT PIERRE、2018)、「窓展」(東京国立近代美術館、2019-20)など。
「林田嶺一のポップ・ワールド」ちらし表面
「林田嶺一のポップ・ワールド」ちらし裏面