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展覧会2012.8.24~11.11
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スーパー・ワールド・オン・ペーパー 古久保憲満と松本寛庸
※以下の文章は、開催当時のまま掲載しています。
夢想した世界を紙の上に描く。誰もが一度は試みたことがあるだろうし、美術史の中でも長い歴史を持つ営みだ。その可能性を、このふたりはさりげなく追求している。地図が好きな松本にとっては方向と正確さがとても大事。小さなモチーフを反復させながら、絶妙に余白を織り込みながら、繊細な色彩で画面を埋め尽くしていく。一方、鮮やかな発色を好む古久保は、その色彩に負けないくらいの大胆な世界を展開する。四方から建物や道路を描いていくのだ。でもその世界に不思議と違和感はない。人の姿はほとんど見えないのに躍動感が生まれている。どちらも90年代生まれ。対照的なふたりの「スーパー・ワールド・オン・ペーパー」をぜひご覧あれ。
保坂健二朗(東京国立近代美術館主任研究員、本展監修者)
出展者
古久保憲満 / 松本寛庸